糖尿病の合併症について

糖尿病の合併症について

糖尿病で最も怖いのは合併症を併発してしまうことですね。
そして、血糖値が高くなっても、自覚症状がほとんどありませんが、体内では少しずつ高血糖によって血管が傷つけられており、その結果、やがて様々な病気が表面化してくるようになるのです。

 

 

糖尿病の合併症には、命に関わるものや日常生活に支障をきたしてしまう病気が多くあります。それらの合併症の中で、命に直接関わってくるのは大血管症があります。
これは、動脈硬化が進行して太い血管が狭くなり発症します。

 

 

代表的な病気には、心筋梗塞や狭心症など心臓をとりまく冠動脈に起こるものや、脳梗塞や脳出血など脳の血管に起こるものがあります。

 

 

その他にも、糖尿病の15〜20%程度の方に見られる、足の動脈が狭くなることで歩くのに支障をきたしてしまう下肢閉塞性動脈硬化症もあります。
ですが、これらは高血糖だけが原因ではなく、高血圧や脂質異常、肥満などの生活習慣病や喫煙なども大きな要因になっています。

 

 

大血管症は高血糖による糖尿病以外の原因でも起きますが、糖尿病独特の細い血管に起こる合併症もあります。これは細小血管症と言われており、細い血管に起こる合併症になります。

 

 

その中でも、糖尿病の3大合併症と言われているのが、網膜症、腎症、神経障害です。この3つのうち最も早く症状が現れてくるのが、足先などに痺れや痛みなど起こる神経障害です。
進行してくると、痛みなどの感覚が麻痺して外傷に気づきにくくなり、何もしないでいると細菌感染や血流の阻害などによって生きている細胞の皮膚組織が壊死してしまうこともあります。

 

 

特に足の裏など目につきにくいところに起きてしまうと、足を切断という最悪の事態も招いて今う場合も少なくありません。

 

 

また、腎臓という臓器は細かい血管が集まっており、その血管を通る血液を濾過して尿を作ります。ですが糖尿病になると、この細い血管に障害が起きて、腎臓の濾過機能の働きが悪くなってきます。
これが糖尿病腎症です。

 

 

更に、症状が酷くなると、腎不全や尿毒症など命に関わってくることから、血液を人工的に濾過する人工透析の治療が必要になってくるんですね。
実際に、現在では人工透析の導入が慢性腎炎を抜き、糖尿病性腎炎が1位になっています。

 

 

その他にも、網膜症は網膜の細い血管が詰まったり、破れたりするなど障害がおき、目から入った光が像を結ぶことが出来なくなり、視力障害を起こす病気です。
年間に糖尿病網膜症で3000人くらいの方が失明していると言われています。

 

 

この様に高血糖の期間が長くなればなるほど血管はボロボロに傷つき、放置しておくと、このように合併症が現れて、やがて人工透析や失明など生活に支障をきたす状態になる可能性が高くなります。
したがって糖尿病治療の目的は、単に血糖値を下げるというのではなく、最終的には合併症を防ぐことにあります。

 

 

その為には、障害を体に与える高血糖状態を改善していくことが何より大切になります。なお、断糖食なら血糖をコントロールして合併症の進行を食い止め、改善したり予防することも出来ます。